どうもご無沙汰しておりました。
いやはや、ブログって毎日書ける人本当にすごいと思います。尊敬しマス。
僕も書こうと思ってネタは貯めるんですが、本棚に増えていく積読のごとくたまっていくだけで消費されません。
こんなご時世なので、家にいる時間に少しずつ文章にしていくので、読んでいただけたらいいなあと思います。
今回はジャズマスターのリフィニッシュをした記事です。
リフィニッシュを検討する人って結構限定的だと思うんです。だって、今時ほとんどポリ塗装ですし、傷まないじゃないですか。
逆にラッカー塗装のギターを持っていたとして、そういうのって高級機ですから手を入れるのも気が引けますし。
考えれば考えるほどリフィニッシュってマニアックな人向けだなあ・・・・・・
自分でリフィニッシュといえばレリック!
自分でリフィニッシュといえば・・・
Googleでも「ギター リフィニッシュ」と打つと予測変換に「レリック」が入ってくるのではないでしょうか?
弾きこんだボロボロなギター。
(普通に弾きこんだくらいじゃ絶対こんなならへんやろって思うけど)
めちゃかっこいいです。
今回はDIYで身に着けた知識をフルに活用してリフィニッシュしてまいります。
初めに、完全に自己流ですので、マネして失敗しても責任はとれません。
やるなら自己責任でどうぞよろしくお願いしマス。
まずは既存の塗装を剥がす
今回手に入れたのはこちら。
【fender japan JM-66】の中古です。
高校生のころからずっとジャズマスターを弾いていたのですが、3~4年前に手放してしまい・・・ずっと何かが足りない気分でいました。
やっぱジャズマスター最っ高。
優勝です。
昔は苦手だったFJオリジナルのピックアップも改めて弾くといいじゃん・・・
以前持っていたのは黒をDIYで水色にリフィニッシュしたものでした。
今回もこいつを私色に染めてあげるわ・・・(水色)
まずは塗装をはがしますが、今回はただ塗りつぶすのではなく
【マルチレイヤー】に挑戦したいと思います。
なんじゃそりゃって方はググってほしいんですが、塗装がはがれて下に塗ってある色が見えているものです。
なんでそんな塗装が生まれたのかわかりませんが、『昔のフェ●ダーでは塗装不良のギターを塗りつぶして売っていてたが、使い込まれて塗装がはがれた時に下の色が出てきた』って説聞いて、個人的にはそれを信用しています。
さて、それではマルチレイヤーを採用するために今回は
『サンバーストをいい感じに残しつつ』塗装をはぎます。
まずは、ばらします。
打ち込まれているブリッジのスタッドっていうんですかね、あれは抜き方がわからなかったのでそのままですが、それ以外は外しました。
ストラップピンのビスが片方、明らかに普通のビスだったのはクスッとしました。中古ならではですね。
知ってる方もいると思いますが、ギターの塗装はこんな感じで施されています。
今回は着色部分はサンバーストですね。ちなみに目止めシーラーは透明であることが多いです。塗りつぶしカラーのギターの場合は色によっては発色をよくするために下に別の色が塗られていることがあります。
この塗装のうち今回剥がしたいのは以下の通りです。
・トップのクリア(全体)
・着色(サンバースト)の一部レリックにしたいところ
・目止めシーラーの一部レリックにしたいところ
使うのは空研ぎサンドペーパーです。
普通のサンドペーパーと違い白いのが特徴で、普通のペーパーより断然早く仕上がります。おすすめです。
ちなみに僕は電動のオービルサンダーてやつを使ってるのでロールタイプを買うことが多いです。
そうでない方や普段DIYとは縁がない方は普通のA4くらいの大きさのペーパーを数枚買うといいと思います。
手で全部こすると間違いなく指痛くなりますし、しんどいので、お気をつけて。
番手は60-80-120-240番を用意しました。
番手は違いますがこのセットも、とてもちょうどよさそうですね。何セットか買うといいと思います。
ひとまず60番でゴリゴリ削っていきます。
偏ることがないようにまんべんなく。
普通にやってるとどうしても角が削れすぎるのでお気をつけて!
クリアがある程度落ちた段階で番手を80→120と上げていきます。
いったいどの程度でクリアがはげたのかわかりにくいと思いますが、わかんない時は、どこか1ヶ所でも下の色が落ち始めたらすぐに番手を上げていきましょう。
今回の場合は60番で下の色が落ちる手前まで当てて、80番へ。
80番を使い始めて60番のやすりあとが全部消えたら(全部のやすり傷の深さが80番の深さになったら)120番へ。
120番も同じく、80番のあとが無くなるまで当てます。
120番が当たり切ったら、そのまま120番で木目を出したい所の色を落とします。
この時、下のシーラーを落として木肌を出すか、出さないかで後々色が変わります。
要注意です。
木肌を出したところは僕のやり方だと茶色くなります。
出さないところはそのまま明るい木目が残ります。
理想の木のだし具合になったら240番を当てていきます。
これも同じく前の番手のあとが無くなるまで。
そして僕の場合はこんな感じになりました。
画像の中でちょっと茶色っぽい木肌が出てるところはシーラーも剥がしたところです。
これでひとまず最初の段階、塗装はがし完了です。
後でこの木目を出した位置がわからないとつらいので写真を撮っておくことをお勧めします。
マルチレイヤーの上側を塗る
それではこれの上に色を付けていきます。
ブリッジのスタッドと、配線をする座具ってあるところは黒く塗ってて導電塗料っぽいのでマステ等で養生します。
しっかりほこりやごみなども取っておきます。
今回使ったのはホームセンターに売っているホームセンターオリジナルのラッカースプレーです。
リンクがないので代わりの商品を載せておきますね。
色はスカイブルーという名前でした。
可能であれば水性じゃなく、ラッカーを使いましょう。
今回はメンテナンスが楽なようにトップにウレタン塗料を使う予定なのでラッカーのほうが安心です。
水性だとウレタンを塗ったときに溶かされちゃったりするかも・・・
塗るときはネックポケットを使って持ち手になる木を付けておくと塗りやすいです。
で、絶対に厚塗りしない!1度で塗り切らない!忍耐をもって塗装!
これめっちゃ大事です。絶対に厚塗りだめです。
遠くから25~30cmほど離れたところからじわじわと吹き付けます。
時間がかかる気がするかもしれませんが、厚塗りして塗料を垂らし、手直しするよりは結果的に早く仕上がります。
そして、塗れたら乾燥させます。
天気にもよりますが、2日くらいは乾燥させたほうがいいと思います。
シーラーも剥いで木肌を出しているところはやたら塗料を吸うので変な感じになると思いますが、そこはあまり塗料がついてないほうが後が楽なので塗れてなくてもほっておいて大丈夫です。
乾燥したら再び剥がし、木部着色
で、首を長ーくして乾燥を待ちましたら次は再び塗装はがしです。
番手は240番以上がいいと思います。
僕は400番の水研ぎでやりました。
あっという間に落ちちゃうので番手は荒くないほうがいいです。
最初に木肌を出した部分は絶対に色を落としましょう。
って言わなくてもこんなことやってる人なら間違いなく剥ぐと思いますかね・・・(笑)
で、どんどん色を落とします。
気の向くままに、下の色を出したいところ、木を出したいところ、ガンガン削っていきます。
この時デザインカッターがあると、より細かくヴィンテージ感が出せるのでお勧めです。
こんなふうに、やすりだけじゃ出せない線状の塗装剥がれを作れます。
満足のいく塗装剥がれができたら水研ぎ400番を全体に優しく当てます。
木肌を出した部分は水を吸ってしまうので注意しながら当てましょう。
でこんな感じ。
木肌が出てる部分に青が残ってるけど気にしない(笑)
次に用意するのは
との粉と水性ステインです。
こちらは僕が使ったものです。
ステインも油性のほうがいいかなあと悩んだのですが、との粉には水性を使ってくれと書いてたので水性にしました。
との粉とステインを混ぜ合わせます。
ちょっと堅めの泥くらいになったらそれをウエスを使って木肌が出た部分に刷り込んで着色、目止めを行います。
残念なことにどの程度の硬さで混ぜ合わせるのかって写真を撮り忘れて残ってないのですが、ぽろぽろとなる手前、固まりができはじめそうな程度の泥具合です。
で、それを刷り込んでいくと木部もいい感じに使い込んだ感がある色に染まっていきます。
ちなみにこの粉を木部以外に刷り込んでもいい感じにくすんだ色になりますので試してみてください。
ただ、ここで深いやすりのあとが残っているとそこにとの粉が入り込んでやすりあとを浮き上がらせてしまうので、やりたいときはやすり掛けをちゃんとしておきましょう。
トップクリア塗り
いやいや、塗装剥がれてんのになんでトップのクリアが残ってるんや。
リアルじゃないやん!
っていうのはごもっともな意見ですが、ラッカー塗装のギターって管理が面倒ですし、このレリック具合をキープしてもらって気軽に扱えるようにしたいのでトップを吹きます。
やりたい人はやってねって感じなので、興味ない方はどんどん番手を上げてやすり掛けするのがいいと思いマス。
さっきも言ったようにラッカーは扱いが大変なのでウレタンを吹きます。
こんなのあったんだなーってホームセンターで見つけて感動しました。
何年も前には目に入らなかっただけなのか、ウレタンの缶スプレーの存在を知りませんでした。
で、塗装については着色の時と同じです。
厚塗り厳禁で遠くから吹き付けます。
はじめて使った塗料だったのですが、想像していたよりずっと塗りやすいですね。
今回ぼくはvanzandtのような吹きっぱなしの仕上げにしようと思うのでなるべく薄く、吹き付けます。
後でやすり掛けをしてきれいにピカピカにしちゃうとヴィンテージ感なくなっちゃうので・・・(笑)
いい感じに塗れました!
この状態で再び乾燥させます。
乾燥期間は説明には72時間と書いてたと思うのですが、間違ってたらごめんなさい(笑)
実際、乾燥には結構時間がかかりました。
説明通り3日かかったなあと感じたので72時間であってると思います。
ここで、「時間はまだ経っていないけど大体固まった!いける!」
って焦って組み始めると、ピックガードと反応して、ピックガードが張り付いて剥がれなくなったり、ねじの締め付けの力が強くてクリアが「むにっ」と湧きだしたみたいになったりして、結構取返しが付かない感じになったりする(経験談)のでここはぐっと我慢です。
DIYはどんな分野も、焦っては負けだと思います。
さあ、ゆっくり乾燥を待ちましょう。
乾燥したら組み立て!
いいか!乾燥したらだぞ!!しつこく言うが、乾燥したらだぞ!
組み立てたのがこちら。
んー。やっぱレリックにクリア吹きっぱなしは違和感なくまとまっていい感じ!
梨地仕上げみたいな感じです。
ほかのギターも一緒に。
ああー。ボロボロなのとってもいいですね・・・
まとめ。
という感じでマルチレイヤーのレリックリフィニッシュでした。
本当ならシーラー剥いだとことサンバーストの間に残ったシーラーがないほうがリアルなんですけど、大変だったので・・・
こだわるなら全部塗装をはいで、木を着色目止め、サンバーストをぬって、その上の色を塗って、やすり掛けをして・・・って感じだと思います。
今回のリフィニッシュにかかった日数は
1日目 | 剥がしと着色(水色) |
2日目 | 乾燥 |
3日目 | 乾燥 |
4日目 | 剥がしとクリア |
5日目 |
乾燥 |
6日目 |
乾燥 |
7日目 |
乾燥 |
8日目 |
組み立て |
こんな感じです。
かかるお金は大体5000円~6000円といったところでしょうか。
結構日数に余裕がないと難しいですが、時間のかかる作業は塗装はがしだけなので、週末だけを使ってゆっくり、って方なら問題なくできると思います。
何度も言いますが自己責任でどうぞ―!
ありがとうございました!
レリックでしょう!!!!