ガットのテンション。結局いくつがいいんだろう?っていうのは永遠の課題みたいなもので、その日のコンディションとかでまるで適切なテンションが変わるので、いつまでもいたちごっこです。
しかし、そのイタチごっこを繰り返していく中でも、【硬く張ったとき】と【ゆるく張ったとき】の特徴を知っておくことはとっても大事じゃないかと思います。
ちなみに、僕は以前ゆるく張るガットにはまったことがあります。
上記の記事にありますように、以前は30P台で張ることもしばしば。
この頃はまだ大きなブランクから復帰して1年しないうちだったので体力もなくこれでちょうどよかったのですが、ある程度体力が返ってくると硬く張っても打ててしまうので選択肢が増えて悩んでしまいます……
今はハイブリッドも含めていろんなガットを試しているのですが、これまでずっと避けてきたのが
「めっちゃ硬く張ったガット」
です。
プロの中にも60P台の人は多く、おかしなことではないのですが、これまで「打てるわけがない」とずっと試しもしませんでした。
しかし、避けていた18×20のラケットが打ちやすかったように。
38Pのガットが打ちやすかったように。
思いもよらない所に自分に当てはまるセッティングが転がっていることもあるのです。
ならば。
試してみるしかない!
Wilsonのウルトラツアー97に
縦:ミクロスーパー16L / 58P
横:ツアーバイトダイヤモンドラフ125 / 60P
で張ってみました!
使用したラケットのレビューはこちら
18×20のラケットにこのセティングは我ながら笑いました。
しかし、仕上がったあとボールをついてみたら思っていたほど鉄板ではなく、痛いかと思ったら、痛いほど振動が来るわけでもなく驚きました。
縦にナイロンを入れたおかげか、想像していたよりはずっとソフトな感じです。
『もしかしたらこれ、打てるのかもしれない』
純粋にそう思い、期待に胸が膨らみました。
いざ打ってみる
打ってみた感想を発表します!
ガットがしならない!
これでもか!ってくらい、しなりません。
なので球が弾き飛ばされると言うか、この比較的柔らかめのラケットでも球離れが早かったです。
サーブのように自分のスイングが確実にできる場面では、しっかり振り抜けば球を捕まえてる感覚がありますが!
打球感も独特で、振り抜いて芯で捉えたら打っている感覚がしないほど気持ちよくスピードボールが飛んでいきます。
が!
スイングが緩んだ瞬間が命取りです。
サーブのしょぼいこと…(これも一種の緩急として使えるかも笑)
しっかり振り抜いたサーブでやっとしなりだす硬さ。
ストロークでそれだけのスイングが安定してできるかって聞かれたら、絶対無理です(笑)
この硬さで潰してガットもたわませて打つとかどんだけスイングスピードが必要なのか……
トッププロのスイングがどれだけすごいのか身を持って感じることとなりました。
飛ばないボールを見て、これは固いガットで抑えがきいているとかじゃない・・・完全にスイングがこのハードスペックにあっていないと(笑)
スピードが出ない。
これもガットのしなりがないからなのか、球速があまり上がりません。
だからと言って手で速く振ってもボールは飛ばず、しっかり体重をぶつけてやらないとだめでした。
スピンをかけれない。
潰そうと思っても潰れないで飛んでいってしまうし、こするスピンだと少し甘めの球になってしまうので本当にスイングするパワーが必要です。
バックハンドスライスが持ち上がらない。伸びない。
48Pで気持ちよく打てたバックハンドスライスが全く打てませんでした。
持ち上がらずにネットにかかったり、ふわっと浮いてしまったり。
ラケットが食ってくれてる感覚が薄いのでコントロールも難しかったです。
ボレーの球が死ぬ。
これはラケットの特徴も相まってですが、伸びていくボレーを打つのがけっこう大変です。
コントロール(?)性は抜群
なんせ変に飛ばそうとさえしなければアウトしにくいのでコントロール面で言えばかなり快適です。ボールスピードはありませんが安心して左右へ打ち分けることができました。
いやもうこれじゃだめだろうって感じの球出しみたいな球でしたが。
まとめ。どんな人におすすめ?
まず、しっかり自分から攻めていきたい人にはこのテンションは基本的にはオススメではないです。
スイングスピードに自信があり、なおかつそのスイングを何試合も維持できる(素でスイングの速い人)には安心してボールを叩けるでしょうし、おすすめです。
しかし、一般的な人より少し速い程度のスイングスピードでしたらおすすめしません。
もう少しゆるく張って8割程度のスイングで十分なボールスピードを確保したほうがいいでしょう。
逆におすすめといえば『ココぞというときにだけ確実に決めて、ほかはコースをコントロールしながら耐えしのぐ防御中心の人』です。
安定感、コントロールで言えば強い味方になると思います。
スピン量や球種もいろいろ変えながらコースを突いて攻め崩すような『守ってるようで攻めてる』感じの人ではなく、『淡々と打ち返し続けるタイプ』向けです。
一球一球でそこまで攻めるのではなく、淡々と返し続けて体力や集中力を温存し、ココぞというボールで振り抜くのであれば硬く張ったとしてもその特徴を活かせるのではないでしょうか?
ただ、この戦い方なら無理に硬くする必要もないので、絶対こう張ったほうがいいよって言えるかと言うとそうでもないです……
基本的にはやはり、一般レベルよりはずっとスイングが速い人向けと言えるでしょう。
今回はラケットもハードめだったので極端な結果になった可能性もありますが、参考にしていただけたらと思います。
そして余裕のある方は、後学のために一度硬く張ってみてもいいかもしれません^^
一般的には全くお勧めしないセッティングです・・・
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