ずっと納得のいくラケットが見つからなかった僕がやっと納得のできるラケットに出会った話

僕はずっと、高校生のころから納得のいくラケットが見つからないでいました。

それこそ20代後半に入るまで10年弱ずっと。

小中学生の頃はラケットを選ぶのなんてルックスしか見ていませんでしたが、さすがに高校生にもなると、どのラケットがよいのか必死で探しましたね。

しかし、どれほど探しても納得のいくものは見つかりませんでした。

打てなくはないけれど違和感があったのです。

上手い人が同じラケットを使っているのを見ると「きっと自分が下手なんだろう」と思いました。(あながち間違ってはいないけれど)

思い描いた球が打てない自分にイライラしてたりもしました。


そんな僕が本当になんとなく、「これはないなあ…」と思った仕様のラケットを使ってみた途端。

思い通りにボールが打てたのです。

どんなに振ってもちゃんと収まってくれる。

「まさか!!」と思ったのですが後日そのラケットを使ってもやはり調子がいい。

自分のラケット選びの基準が全く間違っていたと気づいた瞬間でした。

もしかしたら、いろんなラケットを試しては買い替えを繰り返してる方はこれまでのラケットを選ぶ基準が合っていないのかも知れません。

これまで使ったラケット

これはあくまで僕の経験での話なので、皆さまに当てはまるかと言われたら、そうではないのですが、一例として参考にしていただければと思います。

これまで使ってきて記憶に残っているラケットは

  • ブリヂストン プロビーム mid Plus

かなり気に入っていました。この頃は高校生だったはず。

ラケットチューンにもハマっていて、かなりの鉛テープを貼っていました。93インチのラケットなんじゃないかというようなウェイトとバランスで、重いけどグリップヘビーだから振り抜きが良かったです。

  • Wilson  k-six one95

「あまりにもチューンしすぎたラケットを使ってたら下手になる」といった内容のネット記事を見かけ、ゾッとした僕はプロビームを手放しラケット探しの旅に出たのです。全てはここが始まり。このラケットは僕にはパワーがありすぎるというか、プロビームよりも球離れが早くてとても気持ち悪かったのを覚えています。

  • デュアルコイル(詳細は忘れました)

1年ほどsix oneを使ったものの速い球離れに慣れることができずブリヂストンに戻ります。しかしプロビームとは違う傾向でよく飛びました。これも「打てばアウトする」感覚になってしまい、まるでダメでした。

  • ブリヂストンXブレード(310or295)

どのウェイトだったかはっきり覚えてないません。コントロールはとてもよかったのですが、これまで弾くようなパワーのあるラケットを使っていたのでボールスピードが一気に下がった気がして納得できませんでした。今思えばただの筋力不足だったのかも知れません。

  • Wilson blade 黒銀 16×19

パワーとしなりなら、ウィルソンのbladeはどうだ!?とbladeの名前に飛びつきました。しかし。パワーはあるがやっぱり硬い。あと妙にボールが持ち上がる。

この後も色々(スリクソン2.0/head speed mp/prince tour100t xr/ラジカル/ピュアアエロなど) 試したのですが、それだけで記事がいっぱいになりそうなのでカットします(笑)


以上から察するに僕は柔らかいラケットが好き。パワーはありすぎても、なさすぎてもダメ。な訳です。

ですが。

時代はそうではなかった!!!(TдT)

ピュアドライブに始まった、ラケットにある程度パワーがある「ラウンド形状・黄金スペック」が爆発的に人気が出て、誰もが「バボラのラケットは魔法のようだ。最高だ」と言っていました。(僕の周辺では)

それを聞いた僕はやはりある程度硬いフレームのラケットがすごいのだ。柔らかいラケットは時代遅れなのかも知れない。と思いました。(実際、気に入ってたブリヂストンも硬いラケットを作り始めたと聞いてたのでなおさら)

「スピードテニスと言われる昨今では硬いフレームで弾くように打ち合うべきなのだろう」と納得したつもりでいました。

実際、ハイパワーなラケットを使いこなせたら本当にパワフルなテニスができる気がしますし。

そして次にはWilsonの目の荒いラケット(sラケ)が出て、スピンは目の荒いラケットが断然かかると発表。

じゃあ「目が荒くて、軽いけど極バランスのお陰で打ち負けず振り抜きの良いheadのrevproすごいんじゃないか!」と270gのラジカルを使ったりもしました。

もともと下調べが好きな僕はそんなメーカーの宣伝文句や情報がどんどん頭に入ってくるのです。

その次はSPEED MPを経て、「スピン、パワフルといえばピュアアエロ だろう!」と使い始めました。

ピュアアエロは最初は本当に良かったです!これは確かにすごいと。

しかし、感触がいまいち好きになれず。イメージと飛んでいく球に納得のいかない違いがあるというか…

「本当に納得のいくラケットなんてないんだ。」

「こっからさきは自分の感覚が慣れるしかない」

そう思った時、ふっと。

なんとなく弟のラケットを借りて使ってみたのです。

そこにあったから使ってみたけれど、そうでもなければ絶対に使わないラケット。

Wilson blade 18×20(2015)だったのです。

しかもグリップヘビーにチューンされていて、あとで測ったらストリング込みでウェイトは345g。

ストリングを除けば

  • 98インチ
  • ウェイト325g
  • 18×20

もし店でラケットを選ぶなら「こんなハードスペックなラケット絶対使えない」

そう思って手を出さなかったでしょう。

しかし、手に取った瞬間からどうにもバランスがいい。とてもフィットしている感覚があるのです。

打ち始めた瞬間、これだったのだと確信しました。

しなり、ボールを捕まえて、打ち出す。しっかり回転もかかる。

コースだって打ち分けが簡単。

振っても振っても収まる。

球速も上がったというか、伸びが出た。

ラケットが手の延長のようにしっかりついてきてくれる。

驚くばかりでした。

もちろん体力は持ちませんでした!(笑)

そんな鈍器じゃあ1セット持ちませんね…(笑)

いやもう、よかったのは最初だけ(笑)

けど、この時に気づけたことは

「世間の言うすごいラケットじゃなくても、黄金スペックじゃなくても、いい球は打てるし、合うものはあるのかもしれない」

ということです。

頭でっかちに先入観に囚われてはいけない

そういったハードスペックなラケットに対して僕の頭の中にあったことといえば

  • 18×20じゃ回転はかかりにくい。フラットプレイヤー向け。
  • チューンし過ぎたラケットでは打てない
  • 硬いフレームを使いこなしてこそ強くなれる
  • 目が荒い方が回転がかかる。

ということです。

なのでガットは16×19で黄金スペックに近いもので、打感は柔らかくスピンのかかるパワフルなラケットをさがしていたのです。

しかし現実には

  • 18×20でも十分回転はかかるし、コントロールも良い。
  • チューンし過ぎとはそもそも何をもってなのか。打てるのならそれでいい。
  • 柔らかくてもいい。むしろプロ用の別注ラケットなどはかなり柔らかいものが多い。
  • 目が荒くても打ち方によっては回転も大してかからない
  • なんでもいいからまずは打ってみたほうがいい!!

ということでした。

さまざまな誤解や先入観で自分に合わないラケットをたくさん使ってきたのです。

この経験からぼくは細かなスペック比較でラケット選びをするのをやめました。

今では重さと面の大きさだけしか見ません。

これは僕の勝手な想像なのですが、

重さ、バランス、打感、しなりはそれぞれが繊細で複雑に作用しあっていて、数字だけで測りきれない結果が生まれるのだと思います。

その結果を想像することはとても難しい。

素材の特徴や製法、フレーム厚や形状、メーカーの癖やこだわりなど、本当にたくさんの要素がありますからね!

なので僕はひとまず好き嫌いせず先入観を持たずにまずは打つことをおすすめします。

とはいえ、途方もない数のラケットをすべて試すわけにもいきませんから、ぼくは面の大きさと重さでふるいにかけます。

300gを超えると僕の場合は体力が持たなくなってくるので290g台を選んでいます。

体力はラケットでは補えません。

そして面は101以上の物は使わないようにしています。

経験上フェイスサイズはどんな仕様でも多少の違和感を感じることが多かったからです。

あなたの考えは正しいでしょうか?

「自分はこんなプレーがしたいから情報ではこんなラケットが合うはずだ」「いつまでも古いタイプのラケットではダメだ」と思い込んでラケット探しをすると、いつまでもゴールにたどり着けないこともあります。

実際、今引退で話題のアンディ・マレーは10年以上同じラケットをペイントを変えて使い続けてるという話も。

昔から体に馴染んでいるラケットのバランスや飛び具合、感触(タッチ)はなかなか抜けません。

変なこだわりを捨て、思い切って違う系統のラケットを選ぶことで最高の出会いがあるかも知れません。

こちらもおすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA