防音室のある家を建てる!その1(会社選びまで)

こんにちは。

四国の田舎で音楽教室の運営と作曲家をしています。

寺田カズテルです。

まだまだ無名作曲家な私ですが、この度「防音室付きの家」を建てることを計画しています!

多くの方が考える夢かと思いますので、参考になればと思い、その過程をご報告しようと思います。

費用は見積もり段階では240万円追加!

10畳半の制作室(コンソールルーム)と4畳弱のレコーディングブースを作ってもらうのに、240万円との見積もりでした。

防音性能は-40db(実際はこれプラス家自体の遮音性能)で、周波数ごとの残響時間まで計算してくれた仕様書まで出してくれます。

嫌な帯域が膨らんでいたので、その後部屋の仕様を変更してさらに残響時間を抑えてもらいました。

この金額が安いか高いかは人によって違うと思いますが、注意したいのはこの金額は依頼する工務店によって大きく違うという点です。

会社によって恐ろしく違う見積金額

こちらが最終的に検討していた3社の見積もり金額です。

A社(依頼した会社)B社C社C社
240万円500万円500万円1000万
A社と全く同じメーカーで
全く同じ仕様
の見積もり
A社とは違う会社で見積もりかつ
室内に2つのプレハブ防音室
(アビテックスのようなもの)を
設置
する見積
A社と別のメーカーの物で、ほぼ同じ仕様にする場合の金額

なんと最大で760万の差があるのです・・・

正直言葉を失ったし、A社があまりに安すぎて本当に大丈夫か?という気持ちもわきました。

しかし、話を聞くとB社、C社は防音室等の施工経験はない、もしくは1,2回あるという返答に対し、A社は「つい最近ライブハウスも施工しましたし、防音室は何度もやっています」とのこと。

僕も内装業に携わっていたことがあるので、その経験からのなんとなく想像ですが、防音用の建材メーカーとの間に特約店制度や、取引量に応じての掛け率(定価に対する仕入れ値を計算するときの数値)の違いが想像以上に大きいのかもしれません。

B社の方も「うちは全く利益とってなくてこの値段なので…正直、めちゃめちゃびっくりしています」とのことでした。

※かなり攻めた金額らしく、実際他社さんでこの金額を実現してもらうことはおそらく不可能なほど安くなっており、本当にA社に感謝するしかありません。

家づくりに挑戦して初めて知った具体的な家づくりの順序

ここから先は防音室に関することではなく、家を建てるときの順序で、ほかのブログ等でも書かれている内容ですのでご存じの方は飛ばしてください。

純粋に防音室の話だけ知りたい方は「防音室づくりで注意したいこと」までスクロールどうぞ。

僕の場合は今回、両親所有の土地を使うので土地探しは必要ありませんでした。

(本当にありがとう母よ、そしてこの土地を買っていた祖父よ!)

その場合の順序がこちら。

  1. 工務店、ハウスメーカー、住宅展示場などを巡って会社の選定
  2. 銀行にて住宅ローンの仮審査
  3. 仮審査結果をもとに選定した会社に提案、見積もりを出してもらう
  4. 選んだ工務店と詳細な打ち合わせを行い、再度詳細な見積もりと設計を行う。
  5. 本契約と住宅ローン本審査
  6. 着工
  7. 完成引き渡し

という順序になっています。

もしも土地を探す場合には土地込みで売ってくれる工務店か、土地は自分で探すかによって順序は変わってくると思います。

そして②の仮審査ですが、大体の金額の目安がわかったらとにかく早めに申し込んでおきましょう。

仮審査が通って初めて工務店やハウスメーカーもリアルな見積もりを作ってくれます。

実際に僕も仮審査後は「この会社はこの金額ならここまでできるんだな」と現実的なプランでしっかり見比べられるので非常に助かりました。

今回の記事では①~③までの内容をご紹介します。

ハウスメーカー・工務店選びで感じたこと

ハウスメーカー・工務店の長所を知るべし!

僕は合計で6社回ったのですが、それで感じたのは各社の強みが違うので打ち合わせで気を付けるところも会社ごとに全然違うということです。

僕はインテリアコーディネーターの資格も持っており、内装業の経験から住宅の知識もわずかですがありましたので、「自分で考えた間取り図」を持ち込んで打ち合わせを行ったのが1社。

一切間取り図等は持ち込まず、完全に要望だけを伝えて依頼したのが2社。

そもそも話を聞いただけで「ここじゃないな…」と感じたのが3社です。

間取り図を持ち込んだのがA社、今回依頼した会社です。

そして、B社とC社には持ち込まず提案をお願いしたのですが、C社以外は提案力にはあまり満足できませんでした。

A社B社C社
地元の工務店。
ローコスト住宅。
仕様部材に限りがあるものの
可能な限り対応してくれる自由設計。
提案力はかゆいところに手が届かず、
こちらから積極的に間取りを提案するほうが話がうまく進み、間取り図を持ち込んで正解だった。
地元の工務店。
予算に合わせて柔軟に対応してくれる。
提案はとにかく普通。
平凡な間取りで、イマイチ惹かれず。間取り図を持ち込むべきだった。
西日本と一部東日本に展開する今人気が上がってるハウスメーカー。
少し高めだが、抜群の提案力でいつも魅力的な家を考えてくれる。
間取り図を持ち込まなくて正解だった。

ハウスメーカー、工務店ごとに強みがあります。

その会社の強みが何なのかを知ったうえで打ち合わせに臨むことは、各社の良いところをしっかり引き出すために非常に重要であると感じました。

打ち合わせはめちゃくちゃ疲れる!!

正直、最初の3社くらいまではギリギリ元気ですが、そこから先はもうしんどさがすごかったです。

「いやもう、何回もおんなじ話しするの疲れるし、しかも話どうしても長くなるし!」

って思ってました。

僕はかなり自由に時間が使えるのでまだましですが、カレンダー通りのお休みの方だと毎週のように週末は打ち合わせや展示場、完成見学会でくたくたになると思います…

しかし、最初にお話ししたようにこのしんどさを乗り越えて760万円の節約に成功したので、絶対に苦しくてもいろんな会社を巡ってほしいと思います!!

防音室づくりで注意したいこと

ここから先は僕が非常にお世話になった作曲の先生に相談して教えていただいた、「防音室づくりの注意点」をそのままご紹介します。

  • 部屋の中に部屋を作る構造になるため、依頼するときには仕上がりで何畳欲しいかを伝えないと壁が分厚くなるので狭くなる。
  • シアタールーム程度のなんちゃって防音だと勘違いされると困るから数値を出してちゃんと説明する。
  • 周辺の環境にもよるが、最低でも40dbは遮音したい。
  • レコーディングブースの遮音が優先。予算に応じてだが、ブースの遮音性能が10だとしたらコンソールルームは7~8くらいでいい。
  • 広さより性能が重要
  • 換気のダクトやエアコンのダクトを普通に施工すると音が筒抜けになるのでダクトを長くとって曲げたり、消音ボックスを使用しておく。
  • 電源は分電盤から回路をわけ、家電と混ざってノイズが発生しないようにする。
    (引き込み→1つ目の分電盤→2、家庭用分電盤と3、防音室用分電盤の2つに分岐)
  • 部屋の形を長方形以外にする。平行に向かい合う面を減らし定在波が発生しにくくする。

細かい話は抜きにして大体こんな感じでした。

最後のほうはこちらで気を付けなくとも施工する工務店がちゃんとやってくれると思いますが、依頼する工務店の施工経験によってはこちらからちゃんと伝える必要があるかもしれません。

また、換気部分等についてはメーカーが専用の換気扇や専用の取り付けマニュアルを用意しており、あまり心配しなくてもよいかもしれません。

エアコンは高機能なものだと換気機能がついていて、音が筒抜けになってしまう危険があるそうです。

換気機能なしのエアコンが必要です。

また、最後の部屋の形は選んだ工務店の仕様上不可とのことでした。

音はほんの少しの隙間で漏れ出すし、入っても来ます。

いくらちゃんとした部材を使っても施工のクオリティが低いと残念ながら無意味になってしまうので、施工経験があるかどうかも重要です。

次回は詳細な打ち合わせ!

さて、長くなってきたので今回はここまで。

防音室を依頼するときの会社の選定のポイント、伝えるべき内容等の紹介でした。

次回は防音室を含め、家全体の詳細な打ち合わせやショールーム見学等です。